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京都の感想

1 鴨川

 以前、友人と京都のライブハウスに行ったことがある。場所は何処だったか忘れたが、四条のあたりだったように思う。住宅地の真っただ中にあって、老婆心ながらこんな立地で苦情とか大丈夫なんだろうかと心配になったものだ。

 そのライブの待ち合わせの際に、たしかチェーン店の喫茶に入って時間を潰したはずで、その時に大学生らしき人たちがいかにも大学生らしい話(就活とか)をしていたような覚えがある。なんだかおっかないなと思って、自分はそれからあんまり京都の喫茶店に良い印象が無かったのだが、チェーン店だったし京都じゃなくたってそんなこといくらでもあるなと思い直して、今日は四条付近をぶらついてみた。

 さて、橋の上から鴨川を見渡してみると、なんだか白い鳥が優雅に飛んでいたりして、もうこの段階から大阪とは違うような感じがした。昔河川敷で尺八をひとりで吹いている女性を見かけたことがある。今日はいなかった。たぶん学生だったろうからとっくに卒業してどこかに行ったかもしれない。

 

2 スイーツ

 阪急四条駅から近くの細い路地を抜けていったら寺があって、そこの近くに目当ての店があった。抹茶ケーキパフェというものを食べた。ぼく以外は女性客ばかりだったが、スイーツで有名な店のようだから致し方ないかと思う。自分は普段からこういう環境に慣れているが、ひとに言うとよく行くねと言われることが多い。一人鍋がどうとか一人スイーツがどうとか、そういう周囲からどう見られているか、という問題にあんまり頓着しないできた。結果として浮くことが多い。けれども浮くことに慣れたらおいしいものは食べやすくなる。

 食べログで検討をつけてから来たので注文は迷わなかった。期待していた通りのおいしさだった。いちばん上に抹茶クッキーみたいなのが乗っていて、これがいちばんおいしかった。パフェの階層も豪華で、スポンジケーキみたいなものがわんさか入っていたし、白玉だって多かった。全体的にとても満足だった。女性客は多かったがうるさくもなく、店の内装も落ち着いていた。店員の対応も丁寧だったように思う。

 

3 ごはん

 店から出たあと、あてもなくブラブラ歩いていたらおにぎり屋があったので塩入りのやつをひとつ頼んで食べた。これが思いのほかおいしかった。買い食いの習慣は商店街のおかげで、これに抵抗がなくなると街歩きが倍以上楽しくなるね。

 おにぎり屋の近くにカレー屋の看板を見つけた。なんだか気になったので狭い階段を上って秘密めいたお店に入った。

 カウンターのみだが、雰囲気がとてもいい。客層も全体的に上品でうるさくなく、京都らしさみたいなものが上品さであるなら、それをもっとも感じた空間だった。

 チキンカレーとアイスのチャイを頼んで飲み食いした。おいしかった。仮にぼくが近場に住んでいる学生とかならしょっちゅう行っていたかもしれない。そういう、なんだか落ち着ける場所としてのカレー屋としてとてもいいところだった。

 

4 喫茶店

 カレーを食べ終えた後、そろそろ帰るかと思ったけれど、帰り道の途中で名残惜しくなって純喫茶に寄った。ママが常連客と楽しそうに喋っていたり、常連客と思わしき男性同士も話していたりして、そんな中で一人、珈琲を飲んでたばこを吸った。この「一人」という感じの時間も好きだ。騒がしければ騒がしいほど「一人」という感じになるから、一人らしいことをすることができる。誰にも気を遣わずに目の前に珈琲とたばこだけがあるというのは、実はあんまり無い機会のように思う。家に帰ってからすることを考えたり、今後のことを考えたりすることができた。

 ところで、店を出てから少し歩いた先に警察官らしきひとがいた。駅までの道のりが不安だったので聞いてみると紳士的に対応してくれた。なんだか今までひとに道を聞いていちばん親切な対応だった気がする。さりげない会話でしかなかったが、しかし柔和な笑顔で対応していただいたので嬉しかった。

 

5 帰路

 和菓子屋で土産に羊羹を買った。最近あまり祖母と話せていなかったのと、祖母が好きだという和菓子屋が目の前にあったのでちょうどいいと思ったからだ。帰宅後、祖母に渡した。ちょっといいことをした気分になる。いい形で京都の体験を締めくくれたように思う。数時間の滞在だったけれども満足だった。また行きたいと思う。