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日記

 

1 京都

 今日はこれから京都へ行こうと思う。

 京都という街には以前しばしば行っていたこともあるが、それは日常的なものでもなく、美術館や観光といった理由が多かった。大阪の商店街を幾つか知ったこともあって、次は京都もいいかもしれないと思い始めている。

 少しばかり興味があるなら、それを行動に移してみるべきなのではないかと最近考えるようになった。さんざん言い尽くされてきたことだと思うが、一夜一夜、ねむるたびに自分の命が減っていっている自覚みたいなものが最近ある。大病したわけではないが、老いというものが身近になったと感じることが多い。まだ三十才にもなっていないのに大袈裟だし、人生の先輩がたからおしかりを受けそうだが、自分は二十前半のころからもう老けていたようなところがあるから大目に見てほしい。前向きな気持ちでそのことを受け止めているつもり。老けていたり、疲れやすかったりしても、なにかをしない理由にはならない。工夫と手段は世の中にたくさんある。商店街ひとつ歩いても、色んなひとがいて、色んなひとが結局、どちみち同じ一本の道を通っていく。

 さて、今日という日からあと五十年くらいまでの間に、自分はたぶん死ぬだろうと思うのだけれど、そのときに観る走馬灯のロケーションは多いほうがいい気がする。色んなところに行って色んなものを見聞きすれば、それだけで多彩な人生っぽく仕上がるのではなかろうか。

 低予算映画の基本というか醍醐味はロケだが、ロケといえば西田敏行が出演した『ロケーション』という映画もあった。ピンク映画のカメラマンがあわただしくロケバスで移動していく光景があったと思う。

 この数年、昔観た映画を折に触れて思い出すことがある。人間の記憶というのは不思議なもので、いままで完全に忘れていたものがよみがえる瞬間がある。たぶんに走馬灯もそういうものなのではないだろうか、見た/観たことがないものはよみがえってくれないから、色んなところへ行くことができるのであれば行ってみたい。

 これから支度をしよう。先日シャツを数枚買った。新しい服を着て出かけるのはなんだか心がわくわくする。

 そうだ、この日記を読んでいる方はあんまりいないかと思うが、答えなくてもいいので、今まで生きてきた中で、気に入っている場所や光景を十個くらい考えてみてください。案外すぐに埋まるかもしれないし、まったく出てこなくて、次にどこかへ行く理由になるかもしれないよ。